債務整理開始から数日間は債権者対応に追われた
事業停止翌日の朝から、社長であるぼくと、残務整理を行う一部の社員が出社し、債権者対応を行った。
朝、会社に出社してみると、閉じた会社の入り口の扉に「連絡ください。」という短いメッセージが書かれた名刺が何枚か挟まれていて、昨夜何社かの取引先が来られていたのがわかった。
ビル清掃の人からも「昨夜、黒いジャンバーを着た男の人3人が来ていましたよ。」と聞いた。
債務整理の開始で弁護士が代理人として立ったといっても、すべてを任せられるわけではない。
多くの債権者はファックスに記載されている弁護士に連絡をしたが、会社または社長から直接話しを聞きたいという債権者もいるからだ。
事情を聞きに訪れる取引先にはぼくが対応し、電話での問い合わせには社員たちが対応してくれた。
そして弁護士からも逐一メールや電話で報告が入った。
社員の迅速・丁寧な対応のお陰で、温かい言葉を掛けていただくことも
フランチャイズ加盟店に対しては、事前に業界の仲間にお願いしておいた
・商品等の供給は継続して行われること。
・店舗の運営上、困ったことがあれば相談できること。
などが記載された文書を、初日の朝にファックスで通達し、各担当者から一件一件電話での説明を行った。
このような社員たちの迅速かつ丁寧な対応のお陰で、後日すべての加盟店のオーナーにお詫びの電話をした際には、皆さんとても穏やかに対応してくださり、激励の言葉を掛けてくれる方も多かった。
債権者の一部には納めた商品を引き上げに来るところがあったが、一部の債権者に返してしまうと今後の法的手続きができなくなってしまう。
債権者に大変申し訳ない気持ちではあったが、よく事情を説明し、場合によっては顧問弁護士から説明してもらい引き上げは回避した。
残務整理期間中に業務をしても給与も解雇予告手当も出ない役員については、2日ほど、担当していたお客様への連絡のみ行ってもらい、就職活動に専念してもらうため退職してもらった。
債務整理開始から数日すると徐々に落ち着き、解雇した社員が雇用保険を申請できるように離職票の作成等を社会保険労務士事務所に依頼したり、残務整理を開始した。
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