初のフランチャイズ店オープン
みるみるうちに資金が目減りしていく中、お金になる仕事を見つけては何とかつないでいた。
創業して4ヶ月目、新聞に「プロモーションカフェをプロデュースします。」という小さな広告出してみた。すると話を聞いてみてもいいという内装工事会社の社長から連絡があったのだ。
数日後、訪問してビジネスの構想を熱心に説明すると、なんと、モデル店もない駆け出しのベンチャーの構想に「やってやってもいいぞ。まだ店がないんだよな。成功するかどうか自己責任でやってやる。」と言ってくれたのだ。これが最初の転機だった。
その日からオープンまでの4ヶ月間、ぼく含めて3人の社員が、パートナーの人達とも協力しながら、店舗物件探しに始まり、店舗の企画・設計・デザイン、メニューの開発、広告集め、備品の調達、スタッフ募集、販促企画など、膨大な量の仕事をこなしていった。
その間、トラブルにも直面した。オープンの直前になって広告を配信するための回線が繋がらない。繋がらなければオープンできない大ピンチだった。これも社員が徹夜で原因究明から対処までしてくれてなんとかオープンに間に合わせることができた。
オープン当日の朝、まだ人通りの少ない道路から店舗を見つめるフランチャイズオーナーが「お前ら本当によくやった。ありがとう。」と言ってくれた。社員への最高の労いの言葉だった。
ぼくもそれまでは想像の中だけに存在していた店舗が、目の前で現実化しているのを見て(これが全国に広がっていくんだ)という期待で溢れていた。
お店は徐々に認知度も上がり、順調に客数が増え、オープンしてから数ヶ月後には満席が続くようになっていった。
営業第1期目が黒字で終了
次いで、サラリーマン時代のお客さんの紹介で知り合った、京都のある先輩経営者が「うちの2階が空いているからやってあげるよ。」と声を掛けてくれた。1店舗しかなく資金的にも厳しい時にその申し出はとてもありがたかった。
余談だが、現在でも世界各地に頻繁に旅行をされていて、また相当な美食家でもあるこの先輩は、起業して時間が取れない、いや取ろうとしなかったぼくを、国内のレストランや海外旅行にも何度も連れ出してくれた。ぼく世界を広げてくれた恩人だ。
その後もサラリーマン時代の取引先が空き店舗で開業してくれたり、新たに広告を見たという会社が加盟してくれたこともあり、創業1期目から黒字で終わることができた。
直営店がなかったことに「まず直営店を出して、それからフランチャイズ(FC)を募集するのがセオリーでしょ。」と皮肉交じりに言う社員もいたが、単にお金がなかっただけなのだ。
しかし後になってベンチャーキャピタルなどが「直営店もないのにフランチャイズ加盟募集から始めるなんて、すごい!」と、今度はマジ顔で褒めてくれた。
常識にとらわれていたらこれから始まるストーリーはなかったと思う。
★ストーリが全部まとめてあります★
